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心の病の休職者による損失
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心の病による1ヶ月以上の休職者は、1企業あたり0.5%前後であり、中小企業ほど多いことが厚生労働省の労働安全衛生班の全国調査で判明しています。
1000人の企業であれば、恒常的に5人の休職者がいることになります。心の病の休職者は、依然、増加傾向にあります。
製造業の事業所2100ヶ所を対象にした調査において、平均の休職期間は5.2ヶ月です。
心の病で休職者の約65%が働き盛りの30・40代であり(財団法人・社会経済生産性本部・メンタルヘルス白書2007年版)、この年代は企業にとって、企業のノウハウ・技術・文化などの無形の生産手段を有する中核的な戦力です。この年代に長期休職者が生じると、代替要員の確保・育成費用、他の従業員の負担増は不可避であり、生産性が低下します。人材の代わりを確保することが難しい中小企業であれば尚更のことです。
また、適切に職場復帰ができない場合、退職せざるを得ない可能性もあり、企業は、長年において育成してきた人材を失うことになり、人材資本に対する投資回収率が低下します。
さらに、心の休職者への対応は、高度な専門性と決め細やかな対応を必要とされることから、人事担当者や管理職にとっても負担が増え、企業のマネジメント・人事機能、等にも支障が生じます。
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企業業績への影響
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アメリカ人安全技師、ハインリッヒが発表した『1:29:300』という法則では、『1件の重大災害(死亡・重傷)が発生する背景に、 29件の軽傷事故と300件のヒヤリ・ハットがある』と言われています。
この法則に基づけば、1人の心の病の休職者がいる背景には29人の軽症者がいることになります。
これを基にA社1000人規模の企業業績へ影響を計算してみましょう。
1人の休職者と29人の軽傷者=30人のパフォーマンス低下群
1000人の企業の×0.5(休職者率)=5人
→30×5=150人 A社の従業員は15%がパフォーマンス低下群となる。
A社の年間の総売上100億円とした場合。
100億円×0.15=15億円
A社は、15億円を損失していることになります。
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EAPの費用対効果(業績の向上) |
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EAPの費用対効果は、本場アメリカにおいては1ドルの投資に対して5〜7ドルのリターンがあると言われています。
EAPを導入して、効果が根付くには3年程度かかるので、3年間の初動導入効果を10%として考え、年間一人あたりに対するEAPの費用を4000円(EAPの平均コストです)とします。
EAP導入による回復利益 15億(A社損失)×3年×0.1=4億5000万円
EAPの年間費用、4000円×1000人×3年=1200万円
4億5000万円−1200万円=4億3500万円
A社は1200万円の投資で4億3500万円分、業績向上したことになります。
EAPは人に対する投資なので、一人あたりの労働分配率を向上させることによって、人件費・育成費などの経費や、業務起因性による労災費・訴訟費などの営業外損益を抑制することが可能になるので、少ない投資で大幅に企業の経常利益を向上させることができます。
参考資料
『産業人メンタルヘルス白書 2007年版』
財団法人 社会経済生産性本部 メンタル・ヘルス研究所
『従業員支援プログラム EAP導入の手順と運用』
市川 佳居 著 かんき出版
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